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息子に遺産を渡したくない!

私には、妻と二人の息子がいますが、長男はこれまで、私や妻に対して度々ひどい暴力を振るい、文書を偽造して私名義の土地を売りとばすなど、数々の非行を重ねてきました。息子に一切相続させないことはできるでしょうか。

息子さんの相続権を全て奪うためには、廃除の調停又は審判を申し立てるか、遺言で廃除の意思表示をする必要があります。実際に廃除されるか否かは、調停ないし審判により決まります。

相続人の廃除とは

息子に遺産を渡したくない!相続人の廃除とは、被相続人からみて、相続させたくないと考えるような非行があり、且つ被相続人がその者に相続させることを欲しない場合に、被相続人の請求に基づいて、家庭裁判所が審判又は調停によって、相続権を剥奪する制度です。
遺産の分け方などについては、もともと遺言で指定することができますが、子、配偶者、直系尊属には遺留分(最低限の取り分)があり、単に他の者に遺贈しただけでは、遺留分減殺請求が可能になってしまいます。
そこで、遺留分も含めて相続権を剥奪するのが、廃除という制度です。したがって、廃除の対象となるのは、遺留分を有する子(及びその代襲者)、配偶者、直系尊属に限られ、被相続人の兄弟姉妹は含まれません。

どのような場合に廃除が認められる?

単なる主観的、感情的な確執だけでは、廃除は認められません。審判になった場合、法律上の廃除原因(虐待、重大な侮辱、その他の著しい非行)があるかの判断は、被相続人の主観的な感情・意思に左右されることなく、客観的になされます。
実務上は、父母に対する暴行・浪費癖・遊興・財産の無断売却といったもののうち複数の行為をしている場合に、「著しい非行」を認める例が多いといえます。

具体的にどんな手続きをとる?

被相続人となる方が存命の場合は、その方から家庭裁判所に対し、廃除の調停か審判を申し立てます。また、遺言で廃除の意思表示を行うこともできます。いったん廃除が認められた後でも、被相続人となる方は、家庭裁判所に対し廃除の取消を求めることができますし、遺言でその意思表示を行うこともできます。
被相続人の方が亡くなった後、遺言に廃除の意思表示があることが発見された際は、遺言執行者が遅滞なく家庭裁判所に廃除の請求をすることになります。

横須賀・三浦法律事務所のサービス

廃除の調停・審判の申立てについて、ご希望により代行いたします。廃除をご検討されている方は、ぜひ一度、横須賀・三浦法律事務所までご相談ください。

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