初めての家事調停

「調停」とはどんな手続？

相手が離婚や認知に応じてくれない場合、また、相続人間で遺産分割協議がととのわない場合、まずは家庭裁判所に家事調停を申し立てることになります。
しかし、調停といっても、なかなかイメージのつかない方も多いでしょう。裁判との違いを聞かれることもよくあります。

調停は、裁判と全く別物で、一言でいえば、第三者（調停委員）を介した「話し合い」です。
双方が、それぞれ別々に調停室に入り、２名の調停委員（男女のペア）に言い分を伝えて調整してもらいます。相手と顔を合わせずに済みますので、冷静に話を進めることができます。
調停室は、比較的狭い部屋に、だいたい４～６名くらい座れるテーブルと椅子があり、殺風景にならないよう絵画などが飾られています。
一回に話を聞かれる時間はおおむね３０分程度で、それを交互に繰り返します。そのため、相手が調停室に入っているときは、調停委員が呼びにくるまで待合室で待っていることになります。（３０分で済めばよいのですが、長引くことも多く、ひどいときには１時間半以上待たされることもあります。）

なお、調停委員にお話しする際に、緊張してうまく話ができないという方も多くいらっしゃいますが、通常、調停委員は、親切、丁寧に話を聞いて下さいますし、社会人としてのマナーをもって臨むのであれば、自分の考えや気持ちを遠慮なく、率直にお話しいただいても問題ありません。

調停の「着地点」は？

例えば離婚調停の場合、離婚することと、それに付随する問題（親権、養育費、慰謝料、財産分与などなど）について話し合いがまとまれば、調停が成立し、調停調書が作成されます。
調停はあくまでも「話し合い」ですので、相手が裁判所に出頭しなかったり、話し合いがまとまらなかった場合は、申立人側が調停を取り下げるか、調停不成立ということで、手続が終了します。その際は、訴訟を起こすなど、次の方策をとることになります。

「調停」に弁護士は必要？

当事者間交渉とは異なり、調停の場合は、第三者である調停委員が入ってくれますし、法律にはこだわらずに、双方当事者にとってよりよい解決策を模索して行く手続ですから、必ずしも弁護士を代理人につける必要はないといえます。
実際、弁護士をつけずに調停を申し立て、離婚など目的を実現されている方も大勢いらっしゃいます。

もっとも、調停委員は中立の第三者ですから、あなたのご主張にも、懐疑的に接することもあるでしょうし、調停成立に向けた最後の詰めをする場合、相手の言い分や、あなたにとって不利な事実に基づいてあなたを説得しようとするでしょうから、場合によっては、「相手の肩を持っているのではないか」「自分の話を聞いてくれていないのではないか」と、不安になることもあるかもしれません。
そのようなとき、家事調停の経験を多数もつ弁護士を代理人につければ、現在の状況を的確に把握できますし、また、調停委員の認識に誤りがあった場合、適切な反論をすることができます。

横須賀・三浦法律事務所のサービス

調停を申し立てることが決まったら、詳細な事実関係をお伺いし、調停申立書を作成いたします。弁護士が調停申立書を作成することで、調停委員会としても早い段階で争点の所在を知ることができ、紛争の早期解決につながります。
また、調停期日では、お客さまとともに裁判所に出頭し、お客さまの利益を擁護します。
民事調停をご検討の方、あるいは家事調停を申し立てられている方は、ぜひ一度、横須賀・三浦法律事務所までご相談ください。

▲ページの先頭へ